きまぐれゲーム&ライフ

ゲームについて思うことをつぶやいてますです。

バイタルブレス×仮面ライダークウガの世界観

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公式HP→https://toy.bandai.co.jp/series/vitalbracelet/rider/

先日、バイタルブレスシリーズの新たな展開として、仮面ライダーウルトラマン、新デジヴァイスの発表がありました。私は仮面ライダーが好きで、特にクウガは今でも放送当時以上の熱量をもって心の中に残っている特別に思い入れがある作品です。バイタルブレスにクウガが登場すると聞いた時にはまたクウガという作品に思いをはせることができるとテンションが上がったのですが、ホームページをじっくり見てみるとどこかもやもやとした気持ちがあり、素直に期待することができませんでした。

 

まず、バイタルブレス自体は粗も目立ちますが、面白いおもちゃだなとは思っています。もともとデジモンのデジタル上に存在している生命体と、それを管理する端末という設定が上手くかみ合っており、世界観設定とおもちゃとしてのデザインに違和感を感じることなく楽しめる点が個人的には上手いなぁと思っていました。そこに最新のウェアラブル端末やスマホアプリを世界観に取り込み商品化しているのでとてもよく考えられた設計であると考えています。アプリを使用したネット上での遊びも世界観にマッチしていますしね。Dimカードもしかりです。

 

クウガの話に戻りましょう。デジモンを育てるアイテムを使用し仮面ライダーを育てるというのはそのままデジモン仮面ライダーに置き換えるだけではおかしなことになるというのは想像に難くありません。仮面ライダーは管理し育てるものではないですし、そもそも人間ですし、独立した作品の中に生きているキャラクターでもあります。おもちゃとしての仕様はバイタルブレスそのままでも、設定において元の作品との辻褄を合わせたほうが、ファンとしては気持ちよく商品を手に取りやすいでしょう。

しかし、ホームページを見る限り、そのあたりの世界観の辻褄合わせは相当雑に見えました。いくつかそう思った理由がありますので説明します。

 

1つ目は、デジモンの幼年期Ⅰ、幼年期Ⅱにあたる進化ルートについてです。デジモンの場合は卵から孵化したデジモンは幼年期Ⅰ→幼年期Ⅱ→成長期という順で決まったルートをたどります。クウガの場合はHUMAN→HUMAN→グローイングフォームとなっていました。HUMAN(人間)というのは間違ってはいないのですが、グラフィックは某探偵漫画の犯人のように黒塗りの人型で、1つ目のHUMANと2つ目のHUMANのグラフィックに差がないといった状態でした。どのような議論がありこのような状態で商品化が決定したのかわかりませんが、手抜きと言われても仕方がない状態ではないかと思います。せめてリント→リント(アークル装着状態)→グローイングフォームくらいにはできなかったのでしょうか…。

 

2つ目はバトルに登場する敵についてですね。デジモンの場合は基本的には現在使用しているDimカードに収録されている進化ルートのモンスターがバトルでも登場します。そのエリアに生息しているモンスターが登場すると考えれば納得がいく仕様です。クウガでも同様の仕様なのですが問題が発生します。クウガクウガが戦うことになります。複数のライダーが登場する作品なら問題ないのですが、クウガという作品の設定上世界にクウガはただ一人です。敵はコピーライダーという名前がついていましたが、ちょっと雑じゃないですか。他のライダーのカードを販売するうえで汎用性の高い設定にしているのでしょうけど、それにしてもお粗末ではないでしょうか。そのうえ、クウガ(の変身者である五代雄介)は暴力を好まない優しい男で、人々の平和のために怪人を倒すことにすら心を痛め、暴力から人を守るために暴力を振るうという矛盾に人知れず苦悩するような人物です。そのクウガがバイタルブレス上ではクウガクウガを倒し喜ぶという状態になります。違和感しかないです。このクウガは五代ではないとしてもアークルには古代文字で「心清く 体健やかなるもの これを身につけよ。さらば戦士クウガと為らん。」と書かれており、クウガは心清い者であるわけです。喜んで戦っているような者はクウガになる資格がないわけですよ。

 

ここまで読んで子供のおもちゃに大人が口を出してみっともないという人も少なからずいるでしょう。しかし、クウガやティガなど明らかに20代~30代をピンポイントでターゲットにしているような商品を出している以上、購買層は当時放送中のクウガやティガを今でも愛している20年以上の重すぎる愛を抱えたオタクなわけです。販売側もわかってやっているわけです。そういったオタクに対して中途半端なコラボグッズを出すと反発が来ることくらいは想像できるはずなのですが、バイタルブレス×クウガのコラボからは作品に対するリスペクトや愛が感じられず、このような駄文を書き連ねるに至っています。

 

デジモンはそもそもが男の子向けたまごっちとして企画・開発された商品です。そのたまごっちもいろいろとコラボ(エヴァ、鬼滅など)していますが、たまごっちのほうは上手く作品に合わせたコラボをしていると感じます。成長の仕方がコラボ作品に合わせてあったり、設定の部分で矛盾が発生しないように説明があったり、ゲーム内ミニゲームが作品の世界観に準じていたりとコラボ元作品への愛や配慮を感じます。

 

コラボ自体は否定しません。大好きな作品に触れる機会や幅が広がりますし、コラボにより好きな作品の放送や連載が終わった後でも作品の世界浸れるますし。ただ、お金儲けのために作品を利用しているだけではないかと疑ってしまうようなコラボは悲しい気持ちになります。なのでコラボをする際には是非作品への愛をふんだんに詰め込んだファンですら「ここまでするなんて変態だなぁ。」と思えるくらいのものをお願いしたいと思います。

 

ここまで愛の重たいクウガオタクの戯言を読んでくださりありがとうございます。そしてお目汚し失礼いたしました。